2019年8月1日、当社は株式会社イルグルムへと生まれ変わりました。
創業20年の節目に先立ち行った社名変更を含むリブランディングは、代表の岩田や執行役員陣を筆頭に、コーポレートコミュニケ―ション室、法務、総務、経理財務、情報システムとクリエイティブチームを巻き込んだ一大プロジェクトとなりました。
社内外の知恵を集結し、検討から約2年の時間を経て誕生した『イルグルム』。
既存の言葉に由来をもたない文字列を語源とする、どこにもない企業を目指すために選んだ、どこにもない名前です。
ミサイルが狙いを定めて突き進む姿を意味する「LOCK ON」から、
どのようにして「YRGLM」となったのか。
リブランディングの全容とそのプロセスを、複数回に渡ってお伝えしていきたいと思います。
第1弾となる今回は、「新社名の検討~決定までのプロセス」を振り返ってみたいと思います。
そもそもなぜ、社名を変更することになったのか。
社員にとってはほぼ毎日口にする言葉であり、社外の方にとっては、企業を認識する第一歩である社名。
そこにはそれぞれの企業が大事にしている考えや目指す世界観が色濃く反映されていることが多いのではないでしょうか。
そんな重要な社名を、今回なぜ変えることにしたのか。
そこにはいくつか理由がありますが、一言でいうと、「事業の目的と目指すゴールの明確化」ではないかと思います。そしてこの想いは、新社名のコンセプトにも反映され、イルグルムが表現する世界観の核となりました。
これまでの社名が自社のミッションである「Impact On The World」に向かう組織の姿を表現しているのに対し、新社名は「Impact On The World」を実現した先にある理想の姿を表しています。
「自社が向かうべきゴールを社名とし、日々口にすることでその実現を強く意識したい」という岩田の考えを強く反映したものとなりました。
プロジェクトチーム
今回のリブランディングでは、日本を代表するグラフィックデザイナー佐藤卓さんが代表を務める株式会社TSDOの皆様に総合ディレクションをお願いすることにしました。
佐藤 卓さん
グラフィックデザイナー/ 株式会社TSDO 代表
1979年東京藝術大学デザイン科卒業、1981年同大学院修了。 株式会社電通を経て、1984年佐藤卓デザイン事務所設立(現・株式会社TSDO)。
『ニッカ・ピュアモルト』の商品開発から始まり、『ロッテ キシリトールガム』『明治おいしい牛乳』等の商品デザイン、『PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE』のグラフィックデザイン、『金沢21世紀美術館』『国立科学博物館』『全国高校野球選手権大会』等のシンボルマークを手がける。 また、NHK Eテレ『にほんごであそぼ』アートディレクター、『デザインあ』総合指導、21_21 DESIGN SIGHT館長およびディレクターを務めるなど多岐にわたって活動。
社内の体制は、社内外のコミュニケーションを担うコーポレートコミュニケーション室が主体となり、TSDO様と二人三脚でのリブランディングプロジェクトが始まりました。
佐藤様には、初回のミーティングから岩田の考えや根底にあるコンセプトをくみ取っていただき、私たちは信頼と期待の中、最初の一歩を踏み出しました。
新社名決定までの具体的なプロセス
新社名は、「過去」と「現在」を見つめなおし、次に「未来の姿」を描く形で進められました。
<具体的なプロセス>
プロジェクトキックオフ
↓
社員と岩田へのヒアリング
↓
社名とタグラインの検討
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ロゴ・シンボルマークの検討
岩田の思いや社員からもたくさんの声を集め、何度も議論を重ねながら検討していきました。
その過程で繰り返し出てきたキーワードがこちら。
表現は違えど、「独自の価値」で世の中にImpactを与えていきたいという考えが、新社名で最も表現していきたいキーワードとなりました。
TSDO様には、いくつもの方向性で社名をご提案いただき、検討した数は108案にもなりました。
たくさんの案から最終的に絞り込まれた新社名「イルグルム」は、実は初期の段階でご提案いただいたものとなります。最初は、斬新なコンセプトに驚きを感じました。
「意味を持たない文字列」というコンセプトが表す独自性に共感する一方で、
意味を持たない言葉でいいのか。
読みにくいのではないか。
と、その斬新さに多少の不安も感じていました。
母音を入れた新しい文字列にしたらどうなのか。
まったく新しい視点で考えてみたらどうなのか。
と、様々な可能性をじっくり検討していきました。
それでも、やっぱり最初に受けた強烈なインパクトと斬新なコンセプトが表現する世界観に勝るものはないとの結論に至り、「株式会社イルグルム」が誕生しました。
TSDO様からご提案いただいたロゴデザインも、決断を強く後押ししてくれました。
「YRGLM」という5文字がTSDO様の手によってビジュアル化されたことで、一気に世界観が広がり、新しい解釈も生まれました。デザインの持つ力を実感できた瞬間でもありました。
既存の言葉に 由来を持たない。 それぞれの企業が独自の価値でともに発展できる社会。私たちはそのまだ見ぬ理想の世界をYRGLMと名付けました。まだこの世に存在しない未来像を示すために、既存の言葉に由来を持たない「意味を持たない文字列」を語源としました。どこにもない企業を目指すために選んだ、どこにもない名前です。 |
こうして「独自性」への強い想いは、社名だけでなく、ロゴマークをはじめとするビジュアルアイデンティティにも、強く反映され、「事業を通して社会にImpactを与え、それによって理想の世界を実現していきたい」という想いを、社内外に改めて示すものとなりました。
ここについては、また改めてお伝えできればと思います!